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天界と地獄 563

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563 西の地方の南に向けて、ある霊が私に見られました。その者は、「世で自分たちは高い地位にあり、他の者よりも称賛され、他の者を支配するに値していた」と言いました。
彼らは、天使により内部がどのようなものであるか調べられました。世での自分の役目では、役立ちに目を向けず、自分自身に目を向け、こうして役立ちでは自分自身を優先させたことがわかりました。けれども、その者は他の者の上に置かれること求め、熱烈に要求したので、仕事上、重要な事柄について相談役である者の間にいることが与えられました。しかし、扱われている仕事について何も注意を傾けること、事柄を内面的、本質的に見ることができず、物事をその役立ちから話さないで、プロプリウムから話し、また、えこひいきから意のままに行なうことを望んでいることが認められました。それゆえ、その職務からはずされ、他のところで自分自身で役目を探すように、捨て置かれました。
そこでさらに遠く西の地方に進み、その場所のあちこちで受け入れられましたが、しかし、どこでも、彼らは、「自分自身について、また自分自身からでないなら、何の事柄についても考えていない」と言われました。このように愚鈍であり、単に身体的で感覚的な霊のようなものです――それゆえ、どこへ行っても追放されました。
時を経てから、彼らが窮地に追いやられ、施しを求めているのが見られました。
ここからもまた、自己愛の中にいる者は、どれほどその愛の火から世では賢く語るように見られても、それでもその語ることは単なる記憶からであり、何らかの理性の光からではないことが明らかです。それゆえ、来世で、もはや自然的な記憶の事柄が再現されることが許されないとき、他の者よりもさらに愚鈍であり、またこのことは彼らが神性から分離されているという理由によります。