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天界と地獄 564

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564 支配には二種類あります。一つは隣人に対する愛の支配であり、もう一つは自己愛の支配です。
これら二つの支配はその本質で完全に対立しています。
隣人に対する愛から支配する者は、すべての者に善を欲し、役立ちよりも、したがって他の者に仕えること以上に愛するものは何もありません(他の者に仕えることによって、教会の者であれ、あるいは祖国の者、社会の者、あるいは仲間の市民であれ、他の者の善を欲することと役立ちを果たすことが意味されます)――このことが彼の愛であり、彼の心の快さです。
彼はまた、他の者にまさって高位へ高められれば高められるほど、それだけ喜びます、けれども、それは高位のためではなく、その時、重要な段階で果たすことのできる多くの役立ちのためです。
このような支配が天界にあります。
[2]しかし、自己愛から支配する者は、他の者には何も善を欲せず、自分自身にだけ欲します――役立ちを果たしますが、自分自身の名誉と栄光のためであって、それらが彼にとって唯一の役立ちです――他の者に仕えても、それは自分自身が仕えられ、尊ばれ、支配するという目的のためです――高位を求めるのは、祖国や教会に果たさなくてはならない善のためではなく、卓越や栄光の中に、またここから自分の心の快さの中にいるためです。
[3]支配の愛もまた、世での生活の後、それぞれの者に残っています。隣人に対する愛から支配した者には、天界での支配もまたゆだねられますが、その時、彼らが支配するのではなく、彼らの愛する役立ちが支配します。また、役立ちが支配するとき、主が支配されます。
しかし、世で、自己愛から支配した者は、世での生活の後、地獄にいて、そこの卑しい奴隷です。
私は、世で自己愛から支配した権力者が最も卑しい者の間へと追い払われ、彼らのうちのある者がそこの便所の中にいるのを見ました。