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天界と地獄 576

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60 地獄の霊の恐るべき悪意と策略

576 霊が人間よりもどのように優秀であるか、だれでも内的に考え、自分の心(msens)の働きについて何らかのことを知る者なら、見て、把握することができます――人間は、半時間のうちに口に出し、文書で表現することができるよりも多くのものを、自分の心で一分間のうちに考え、展開し、結論することができるからです――ここから、人間は自分の霊の中にいる時、したがって霊となるとき、どれほどまさるか明らかです。なぜなら、霊が考えるのであって、身体は霊がその考えを話すかまたは書くことを表現するものであるからです。
ここから、死後、天使となる人間は、世で生きたときの知性と知恵と比較すれば、言葉にできないほどの知性と知恵の中にいます。その霊は、世で生きたとき、身体に結び付けられ、その身体によって自然界にいたからです。それゆえ、その時、霊的に考えたことが、相対的に、全般的で、粗雑で、あいまいなものである自然的な観念に流入しますが、霊的な思考のものである無数のものを、その観念は受け入れないで、世で心配事からのものである暗いもので包む込んでしまいます。
霊が身体から解放され、自分自身の霊の状態の中にやって来るときは異なります。そのことは、自然界から彼自身の霊界へ移るとき、起こります。
その時、思考と情愛に関して、その状態は以前の状態と比べて計り知れないほどまさり、その者は、「それで、明らかである」と言うでしょう。
ここから、天使は言葉にできず、表現できないもの、したがって、自然的な人間の思考の中に入ることができないようなものを考えています。それでも、それぞれの天使は人間に生まれ、人間として生き、そしてその時、自分自身が他の同じ人間よりも賢いことを見ていませんでした。