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結婚愛 5

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5 これらを言って、天使は先立って行き、最初に、天界の楽しさは最も喜ばしい交わりと最も甘美な会話だけにあることを確信した者からの群れを集めた——これらの者を天使は北の方位にある集会へ導いた、それらの者に〔とって〕天界の楽しさは前の世のものと異なるものではなかった。
そこに大きな家があり、その中にこれらの者が集められた。家に五十以上の部屋があり、いろいろな種類の会話にしたがって分けられていた。
これらの部屋の中で、広場や街路の中で見て、聞いたようなものについて話された。他の部屋では、いろいろな愛すべきことが話された——美しい異性について、冗談がちりばめられ、機嫌のよい笑い顔が交わりの中のすべての者に広がった——他の部屋では、宮廷、国に仕える者(大臣)、政治の状態について、秘密の評議会から流れ出るいろいろなことについてのニュース(新しい情報)が、出来事についての推理と憶測と一緒にして話された。他の部屋では商売について。他の部屋では文学の事柄について。他の部屋では市民のまた道徳的な生活の思慮分別のようなものについて。他の部屋では教会についてと宗派について、等々。
私にその家の中を眺めることが与えられ、部屋から部屋へ走りまわる者を、自分の情愛とここからの楽しさの交わりを捜し求める者を見た。交わりの中に、私は三つの種類の者を見た、話すことへと喘いでいる(熱望する)ような者、知ることへの欲望のある者、聞くことをほしがる者(熱心な者)である。
[2]家には、それぞれの方位に四つの扉があった、私は、多くの者が交わりから解放され、外へ出ようと急いでいることに気づいた。
私は、東の扉へ向かう者を追い、その近くに悲しい顔で座っている者を見て、近づき、なぜ、そのように悲しんで座っているのか質問した——答えた、「この家の扉は出る者に対して閉ざされている。今や、私たちが入り、私たちの願望であった交わりと会話の生活を過ごした時から三日である。会話の連続から、私たちは、彼らからのつぶやき声を聞くことに、ほとんど耐えられないほどうんざりさせられた。それゆえ、飽き飽きしてこの扉へ集まり、たたいた。しかし、私たちに、『この家の扉は出る者に対して開かれない、しかし、入る者に〔開かれる〕。とどまり、天界の楽しさを享受せよ』との答えがあった——それらの応答から私たちは、ここに永遠に私たちはとどまらなくてはならないことを結論した。ここから悲しみが私たちの心に入り込み、今や、胸が引き締められ、不安が起こり始めた」。
[3]その時、天使は彼らに話しかけ、言った、「この状態はあなたがたの楽しさの死です、あなたがたはそれをもっぱら天界のものであると信じました。そのときそれでも天界の付けたしのものでしかありません」。
彼らは天使に質問した、「では、何が天界の楽しさか?」
天使はこれにわずかなものを答えた——「自分自身にまた他の者に役立つものを行なう快さです。役立ちの快さはその本質を愛から、実在を知恵から得ています。愛から知恵によってわき出る役立ちの快さは天界のすべての楽しさの霊魂といのちです。
[4]天界に最も喜ばしい交わりがあり、それが天使たちの心(mens)を快活にし、アニムスを楽しませ、胸を喜ばせ、身体を活気づけます。しかし、これらは、自分の職務の中で役立ちを行なった後に彼らにあります。これらから、彼らのすべての喜びと楽しみ(満足感)の中に、霊魂といのちがあります。しかし、もしそれらの霊魂といのちを(あなたが)取り去るなら、付けたしの楽しさはしだいに楽しさを生まなくなり、最初に無関心、その後、価値のないようなもの、最後に悲しみと不安を生みます」。
これらを聞いたとき、扉が開かれ、そばに座った者は跳び上がった。家へ逃げ去り、それぞれの者が自分の職務へ、自分の仕事へ〔戻り〕元気づけられた。