カテゴリー

結婚愛 12

11◀︎目次▶︎13

12 宮殿へ連れて来られた時、最初にそれを外から見た。大きかった、班岩から建てられ、碧玉からできた土台を据えられ、門の前にラピスラズリからできた六本の高い柱、金の板からできた屋根、最も透明な水晶からできた高い窓があり、これらの側柱(窓枠)も金からできていた。
この後、宮殿の内部に導き入れられ、部屋から部屋へ連れまわされ、言語に絶する優雅な装飾(品)、屋根の下(天井)に比類のない彫刻物の飾りを見た——壁の近くに金を溶かしこんだ銀からできた食卓が置かれ、それらの上に宝石から、天界の形をした無きずの宝石からできたいろいろな備品があった。多くのものを見たが、それらは地上のある者が目で見ないもの、ある者によって、このようなものが天界の中にあるという信仰を自分自身にひき起こすことができないものであった。
[2]それらの荘厳なものを見て茫然自失していたとき、天使は言った、「驚いてはなりません。あなたがたの見るこれらは、天使の何らかの手でつくられ、組み立てられたものではありません、全世界の「形成者」により建てられ、私たちの君主に贈り物として与えられたものです。それゆえ、この建築の技術は技術そのものであり、これから、世の技術のすべての規定があります」。
さらに天使は言った、「あなたがたはこのようなものが私たちの目を魅了し、そしてそれらに、私たちがそれらを私たちの天界の楽しさであると信じてしまうまでも夢中になると思うかもしれません。しかし私たちの心はそれらの中にないので、〔それらは〕単に私たちの心(cor)の楽しさの付けたしです。それゆえ、私たちがそれらを付けたしとして、そして神の製作品として見つめれば見つめるほど、それだけそれらの中に神的全能と慈悲深さを見つめることになります」。