カテゴリー

結婚愛 76

75◀︎目次▶︎77

6 白銀時代に生きた者のもとの結婚愛について

76 (第二のメモラビリア——)
翌日、以前の天使が私にやって来て、言った、「あなたは、白銀の時期または時代に生きた者から、私たちが彼らの時代の結婚について聞くために、私がその人々へ導き、同行することを望みますか?」
そして、これらの者は主の案内からでないなら近づけられないことも言った。
私は以前のように霊の中にいた、そして私の案内者に同行した。最初に、東と南の境界の丘へ〔来た〕。私たちがその斜面の上にいる時、私に地の大きな範囲の地域が示された。そして私たちは遠くに山岳地帯のような隆起を、それらの間に丘を見た、その上に私たちは立った、谷間があり、この後ろに平野が、ここからゆっくりと起き上がっている上がり坂があった。
私たちは谷間を越えて行くために下り、私たちはあちこちに、人間の形の木や石、いろいろな動物・鳥・魚の彫られたものを見た。私は天使に質問した、「それらは何ですか、偶像ですか?」
答えた、「まったく偶像ではありません。いろいろな道徳的な美徳を、霊的な真理を表象する像です。その時代の人々のもとに対応の知識がありました。すべての人間・獣・鳥・魚は何らかの特質に対応するので、それゆえ、それぞれの彫像が、美徳または真理のある部分的なものを、また多くのものが一緒に、全般的に拡大された形として、美徳または真理そのものを表象しています。それらは、エジプトで象形文字と呼ばれたものです」。
[2]私たちは谷間を通って進み、平野に入った時、見よ、私たちは、いろいろな飾り衣装と手綱を付けた馬と馬車を、そしていろいろな形の、あるものはワシのように、あるものはクジラのように、あるものは角とともに牡鹿のように、また一角獣のように彫刻された馬車を見た、そしてまた、最後にある荷馬車を、また周囲と脇に馬小屋を見た。しかし、私たちが近づくとき、馬も馬車も消え、それらの代わりに、私たちは、ふたりずつ、歩き、話し、推論している人間を見た。
天使は私に言った、「遠くから見られた馬・馬車・馬小屋の外見は、その時代の人間の理性的な知性の外観です。というのは、馬は対応から真理の理解力を、馬車はその教えを、そして馬小屋は教えることを意味するからです。あなたはこの世界ではすべてのものが対応にしたがって現われることを知っています」。
[3]しかし私たちはこれらを通り過ぎ、長い上がり坂を通って上り、最後に、都を見て、それに入った。通過中、私たちは街路と外側から、その家々を観察した——大理石から建てられた多くの宮殿であった。その前に雪花石膏(縞大理石)からできた階段、脇に碧玉からできた柱があった——私たちはサファイア(青玉)色や空色(ラピスラズリの色)の宝石からできた神殿を見た。
天使は私に言った、「彼らの家は石からできています、石は自然的な真理を、宝石は霊的な真理を意味するからです。白銀の時期に生きたすべての者に、霊的な真理から、またここから自然的な真理から知性がありました。銀もまた同様のものを意味します」。
[4]都を見渡しているうちに、私はあちこちに、ふたりずつの配偶者たちを見た。夫と妻であったからである、私たちは、どこかに私たちが招かれることを期待した。このことが心(アニムス)にあったとき、通り過ぎる中で、家の中のふたりから呼び戻され、私たちはのぼり、入った——天使は私のために彼らに話して、この天界への到来の理由を明らかにした、「ここにいるあなたがた古代人のもとの結婚について、あなたがたから教えられるためです」。
答えた、「私たちはアジア民族の出身です、私たちの時代の追求(関心)は真理の追求でした、それらによって私たちに知性がありました。この追求は私たちの霊魂と心への追求でした。しかし私たちの身体の感覚の追求は形としての真理の表象でした、そして対応の知識により、私たちの身体の感覚を私たちの心の知覚に結合し、私たちの知性を得ました」。
[5]これらを聞いて、天使は、彼らのもとの結婚について何か話すよう求めた。
夫は言った、「善との真理の霊的な結婚と、ひとりの妻との男の自然的な結婚の間に対応があります。私たちは対応を学んだので、私たちは、教会はその真理と善ともに、ひとりの妻とともに生きる真の結婚愛にいる者以外に、決して他の者のもとに存在することができないことを見ました。というのは、善と真理の結婚は人間のもとの教会であるからです。それゆえ、ここにいるすべての私たちは言います——夫は真理であり、妻はその善です、善は自分のもの以外の他の真理を愛することができず、真理も自分のもの以外の他の善を愛し返すことができません。もし他のものが愛されるなら教会をつくる内なる結婚は滅び、結婚は単なる外なるものになり、それには偶像崇拝が対応し、教会は対応しません。それゆえ、ひとりの妻との結婚を、私たちは神聖な誓いと呼びます、しかし、もし私たちのもとの多くの者と行なわれるなら、私たちはそれを神聖冒涜と呼びます」。
[6]これらを聞いて、私たちは控えの間に導き入れられ、そこに、内壁に多くの芸術品が、銀から鋳造されたような小さい像があった。私は質問した、「それらは何ですか?」
言った、「結婚愛のものである多くの特質・属性・快さを表象する絵や形です——これらは霊魂の結合を、これらは心の結合を、これらは胸(感情の座)の一致を、それらはここから生まれる歓喜を表象しています」。
調べている中で、私たちは内壁に、紫色・青色・白光り色の三つの色から構成された虹のようなものを見た。私たちは、どのように紫色の色が青色に変わるか、また、紺青色の色で白光り色を染めるか、この色が青色を通って紫色へ逆流すること、これが炎の光線のように高揚するのを見た。
[7]夫は私に言った、「あなたにそれらがわかりますか?」
私は返答した、「教えてください」。
言った、「紫色の色はその対応から妻の結婚愛を、白光りの色は夫の知性を意味します、青色の色は妻からの夫の知覚の中の結婚愛の始まりを、紺青色の色で染められた白光り色は、その時の夫の中の結婚愛を意味します。この色が青色を通して紫色へ逆流し、これが炎の光線のように高揚したことは、妻へ逆流した夫の結婚愛を意味します。結婚愛についての瞑想から、その相互のものを、結合の継続するものや同時のものを、そこに描かれた虹を私たちが目を凝らして眺める時、このようなものがそれらの内壁に表象されます」。
これらに私は言った、「これらは今日の神秘以上のものです、というのは、ひとりの妻とのひとりの夫の結婚愛のアルカナの表象の外見であるからです」。
答えた、「そうです、しかし、それらはここの私たちにとってアルカナではありません、ここから神秘でもありません」。
[8]これらが言われて、遠方から白い小馬に引かれた馬車が現われた。これらが見られて、天使は言った、「その馬車は、私たちが立ち去るようにとのしるしです」。
その時、私たちが階段を通って下るとき、主人(もてなす者)は私たちに、ブドウの木から葉がついた白く輝くブドウからその房を与えた。見よ、〔私たちの手の中で〕葉は銀になった——私たちはそれを、白銀時代の人々と私たちが話したことのしるしとして、持ち去った。