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結婚愛 105

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105 この後、二度目に、つぼの中に手を入れ、ここから紙を取り、その紙からこれらを読んだ——
 「一緒に生活する者たちの集会に集まった私たち同国人は、結婚愛の起源は結婚の起源と同じであり、その結婚は、生来の姦淫へ向かう人間の情欲を抑制するために法律により規定されたことで一致した。姦淫は霊魂を滅ぼし、心の理性をよごし、風習を汚し、そして消耗症で身体を衰弱させる。というのは、姦淫は人間のものではなく、野獣のもの、理性のものでなく、獣のものであり、このようにまったくキリスト教のものでなく、野蛮であるから——このような有罪性のために、結婚が起こり、同時に結婚愛の起源がある。
 この愛の力すなわち〔性的〕能力も同様である、これは定まった対象のない淫行からの節制である貞潔にかかっているからである——その理由は、彼らのもとの力すなわち〔性的〕能力は、その者は配偶者だけを愛するひとりの者に保持され、このように集められ、そのように集中され、その時、その能力は汚れから引き離された第5元素のような高貴なものになる、それは、そうでなければ、追い散らされ、あらゆる方向へ投げ捨てられるからである。
  祭司である私たちの間のひとりは、さらにまた、その力すなわち〔性的〕能力の原因として、『結婚は予定ではないのか? この予定とともにここから生殖もあり、これらに予定の効力がある』と言って、予定(説)を加えた——彼はこれを原因として主張した、それを誓ったからである」。
 これらに文字「B」が書かれていた。
 これらを聞いて、ある者は嘲笑的な語調で言った、「予定。ああ、欠陥すなわち無力(性的不能)の何と美しい言い訳なのか」。