カテゴリー

結婚愛 106

105◀︎目次▶︎107

106 すぐに、三度目に、つぼから紙を取り出し、その紙からこれらを読んだ——
 「小部屋の私たち同国人は、結婚愛の起源の原因を熟考し、それらの原因のうち主要なものが結婚の起源と同じものであることを見た、その愛はそれ以前に存在するようにならないからである。〔その愛は〕ある者が処女を求めるかまたは感情のおもむくままに愛するとき、霊魂と心で彼女を所有することを、すべての愛らしいものよりも所有物として欲するとき、存在するようになる。そして彼女が誓約するとすぐに、自分自身のものを眺めるように、彼女を眺める——これが結婚愛の起源であることは、ライバルに対する憤激から、妨害者に対する嫉妬からはっきりと明らかである。
 その後、私たちはその愛の力すなわち〔性的〕能力の起源を熟考し、配偶者の力すなわち〔性的〕能力は、性についてのある種の許し(放縦)からであることが、3対2でまさった。経験から、性愛の〔性的〕能力が結婚愛の〔性的〕能力にまさることを知っている、と彼らは言った」。
 これらに文字「I」が書かれていた。
 これらを聞いて、机〔=にいた者〕から叫んだ、「この紙を取り除け、つぼから他のものを引き出せ」。