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結婚愛 109

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109 六番目に紙を引き出し、その紙からこれらを読んだ——
 「私たちの仲間からの私たち同国人は、結婚愛の起源の原因を見回し、私たちは二つのことで一致した、それらの一つは子どもの正しい教育、もう一つは相続の明確な所有である。私たちがこれら二つの原因を取り上げたのは、公共の善である一つの目標へねらいを定め、目を向けるからである。このことは、結婚愛からみごもり、生まれた幼児が、それ自身の固有のものになるからであり、これらのものは適法の家系からであることによって高められた親心(ストルゲー)の愛から、霊的にも自然的にも、自分の両親のすべての所有物の相続人として教育されることによって、なし遂げられる——子どもの正しい教育の上に、また相続の明確な所有の上に、公共の善が基礎づけられることは、理性で見られる。
 性愛があり、結婚愛がある——結婚愛が性愛と一つのように見える、しかし明瞭に別のものである。一方はもう一方の近くにはなく、一方はもう一方の内にある。内にあるものは、外にあるものよりも高貴である。私たちは、結婚愛が創造から内部にあり、性愛の中に、まったく殻の中の内部に、アーモンドの実のようにたくわえられているのを見た。それゆえ、結婚愛が性愛であるその殻から解かれるとき、それは天使の前に、宝石・緑柱石(ベリル)・月長石(ムーンストーン)のように輝く。このことが生じるのは、結婚愛に、私たちにより公共の善によって意味される全人類の安全が刻み込まれているからである——これが、この愛の起源についての私たちの判断である。
 けれども、私たちは、その力すなわち〔性的〕能力の起源を、いろいろな原因から、性愛からの結婚愛の隔離と分離である、と結論する、それは男からの知恵によって、また妻から男の知恵への愛によって生じる——というのは、性愛は、獣と共通である、しかし、結婚愛は人間に特有のものであるから。それゆえ、結婚愛が性愛から隔離され、分離されればされるほど、それだけ、人間は人間であり、獣ではなくなる。人間は自分自身の愛から力をすなわち〔性的〕能力を得る、獣はそれ自身のものから得る」。
 これらに文字「G」が書かれていた。