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結婚愛 133

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133 この後、議論の第二の主題、なぜ人間は愛するものの何の知識の中にも生まれないのか、そのときそれでも、高貴なものも低級なものも、すべての獣と鳥は、自分の愛するもののすべての知識の中に生まれている、が取り上げられた。
 最初に、命題の真理をいろいろなものによって、例えば人間について、知識が何もない中に、結婚愛の知識の中にも、決して生まれていないことによって確認した。また調べて、調査者から、幼児は生来の知識から母の乳首に自分自身から接触させることが決してできないこと、しかし母または養母から接触させられること、単に吸うことを知っている、このことを、母の子宮の中で絶えず繰り返す吸うことから学び、また、その後、歩くことを知らず、人間の何らかの声の中の音をはっきり発音することも知らず、それどころか獣のように愛の情愛を音で表現もせず——さらに、自分自身に適切な何らかの食べ物を、獣のように知らず、しかし出会うものを、あるいは清潔なものあるいは不潔なものをつかみ、口の中に引き入れることを聞いた。
 調査者は、「人間は教育なしに、決して異性を区別することを、また、異性を愛する方法について、まったく何も知らない。このことを娘と若者は、他の者からの学習なしに、たとえいろいろな知識で教育されても決して知らない」と言った。
 一言でいえば、人間は虫のように形体的なものに生まれている。もし知り、理解し、他の者から賢明になること学ばないなら、形体的なものにとどまる
[2]この後、獣は高貴なものも低級なものも、地の動物・天の鳥・這うもの・魚・昆虫と呼ばれる小さい虫のように、自分のいのちの愛のすべての知識の中に生まれていることを確認した、例えば、滋養物のすべての、住まいのすべてのもの、性愛のすべてのもの、生殖のすべてのもの、そして自分の子を育てることすべての中に生まれていることである——これらを彼らは、自然界(以前に生きた私たちの世界をそのように呼んだ)で見たもの・聞いたもの・読んだものから記憶の中に思い出し、その中で獣は表象的でなく現実に存在した驚くべきものによって確認した。
 この命題の真理がこのように立証された後、それらによってこのアルカナを説明し、明らかにする目的と原因を探し、見つけ出すために、心を傾注した。すべての者は、「それらは神的知恵から存在することができないのではない、人間が人間であり、獣が獣であるためにである。またこのように人間に出生の不完全さが彼の完全性となり、獣に出生の完全性がその不完全性である」と言った。