カテゴリー

結婚愛 186

185◀︎目次▶︎187

186 (2) 同様に、彼の霊である内なる形は変えられる
 人間のいのちの状態が変えられるように、これが絶えず変えられることは、どんなものでも形として、また状態がそれをひき起こさないなら、存在しないからです。それゆえ、人間のいのちの状態が変えられると言われても、あるいは、その形が変えられると言われても、同じことです。
 人間のすべての情愛と思考は形として、ここから形から存在します、なぜなら、形はそれらの主体であるからです。情愛と思考は、形を与えられている主体の中になかったなら、脳が〔なくて〕空っぽの頭蓋骨の中にもまた存在しません。目のない視覚・耳のない聴覚・舌のない味覚と同様になったでしょう。これらの形がそれらの感覚の主体であることが、よく知られています。
[2]いのちの状態が、またここから人間のもとの形が絶えず変えられることは、同じものがすなわち二つの完全な同一であるものが、まして多くのものが存在しないことは、真理であるからであり、これを賢人たちが教え、今でも教えています。人間に〔同一の〕二つの顔が、まして〔同一の〕多くの顔がないようなものです。連続するものの中で同様であり、過ぎ去ったものに続いている同じいのちの状態は存在しません――ここから、人間のもとのいのちの状態の変化が、特に、彼の内なるものの状態の変化が永続的であり、それゆえ、形の変化もまた永続的であることになります。
 しかし、これらから結婚について何らかのものは教えられません、単にそれらについての知識の道を用意し、なおまた単に理解力からの研究された哲学の事柄であり、それらはある者にとって知覚するのに険しいので、それゆえ、これらのわずかなもので、通り過ごすことにします。