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結婚愛 299

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299 もし娘が、両親にまたは両親に代わる者に相談しないで、自分自身から求婚者(の依頼人)に同意するなら、まったく異なったでしょう。というのは、判断・知識・愛からでなく、将来の福祉のものであるその事柄を、〔天秤ばかりの〕皿にかけることができるからです。判断からでないのは、彼女の判断は結婚生活についてまだ無知の中にあり、互いに理性で比較し、そして男たちの振る舞いを彼らの性質から見通す状態の中にないからです――知識または認識力からでないのは、両親のもとの家事を、また仲間のある者のもとの家事を超えるものを、わずなものしか知らないからです。また、自分の求婚者の家族のものまた自己のものであるようなものを探り出すために不適当であるからです――愛からでもないのは、娘たちの愛は、彼女たちの適齢期の最初の年齢の中で、そしてまた第二のものの中で、感覚から欲したものに従い、まだ心で精錬されたものから望むものではないからです。
[2]それにもかかわらず、娘を、その事柄を自分自身のもとで同意する前に熟慮することをさせるべきです、その理由は、不本意の娘が愛せない男との結びつきに導かれないためです。というのは、このように彼女の側からの同意が加わっておらず、それにもかかわらずこれが結婚愛をつくり、そして彼女の霊をその愛の中に導くからです。そして不本意なまたは外側に向かう同意は霊を導かないで、身体を導くことができます。このように、霊の中に住んでいる貞潔を、情欲に変え、そこから結婚愛はその最初の熱の中で腐敗させられます。