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結婚愛 305

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305 (9) 婚約の期間内で身体的に結合されることは許されない
 というのは、そのように結婚愛に刻み込まれている秩序が滅びるからです。
 人間の心の中に三つの領域があるからであり、それらの最も高いものは天的なもの、中間のものは霊的なもの、最も低いものは自然的なものと呼ばれ、この最も低いものの中に人間は生まれています、しかし、霊的なものと呼ばれるそのさらに高いものの中へ宗教の真理にしたがった生活を通して、また最も高いものの中へ愛と知恵の結婚によって上ります。
 自然的なものと呼ばれる最も低い領域の中に悪くて好色なすべての情欲が住んでいます。けれども、霊的なものと呼ばれるさらに高い領域の中に悪くて好色な情欲の何らかものはありません、というのは、この中へ人間は再生するとき主により導き入れられるからです。けれども、天的なものと呼ばれる最も高い領域の中に結婚の貞潔がその愛の中にあります。この中へ人間は役立ちへの愛を通して、また最もすぐれた役立ちは結婚からあるので真の結婚愛によって、高揚されます――
[2]これらから、結婚愛がその新しい熱から、貞潔なものになるために、そしてそのように貞潔なものから中間の領域と低い領域を通って身体の中へ降ろされるために、低い領域から最も高い領域の中へ高揚されなければならないことを要約して見ることができます。そのことが行なわれるとき、下降している貞潔なものにより、この最も低い領域は、その不貞なものから清められます。ここからその愛の最外部のものもまた貞潔になります――さて、もしこの連続的な愛の秩序が、その時の前の身体の結合によって早められるなら、人間は出生から不貞である最も低い領域から行動することがいえます。ここから、結婚に対する冷淡が、そして配偶者に対する嫌悪とともに無視が始まり、起こることがよく知られています。
 しかしそれでも、早すぎる結合から、そのうえさらにまた、婚約の期間を過度の長引かせること、そしてまた過度の急ぐことから、違う結果のいろいろなものが存在します。しかし、それらは数が多いことと多様性のために見えるようにされることがほとんどできません。