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結婚愛 382

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382 「愛以外に美の何らかの起源とは何か? それは若者の目へ流入するとき、彼らに火をつけ、美を生じる。それゆえ、愛と美は同じものである。というのは、愛は最内部からある種の炎で適齢期の娘の顔をかすかに染め、その透明さから、彼女のいのちの夜明けとその紫色〔の空〕がある。
 彼女の炎がその目の中へ光線を送ることをだれが知らないか? それは輪の中の中心からのように顔に拡がり、そしてまた胸の中へ行き、そして心臓に火をつけ、そばに立つ者にこのように働きかける火の熱と光でしかないことである。その熱は愛であり、その光は愛の美である。
 それぞれの者が自分の愛にしたがって愛らしく、美しいことは、全世界で同意され、確立されている。しかしそれでも、男性の愛と女性の愛は別ものである。男性の愛は賢明になろうとする愛であり、女性の愛は男性の中の賢明になろうとする愛を愛そうとする愛である。そこで、若者に賢明になろうとする愛があればあるほど、それだけ娘に対して愛らしく、美しい。また娘に若者の知恵への愛があればあるほど、それだけ彼女たちは若者に対して愛らしく、美しい。それゆえ、愛がもう一方の愛に出会い、キスするように、美もそのようである——そこで、私は、愛が美をそれ自身に似たものに形作る、と結論する」。