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結婚愛 383

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383 この後、もうひとりの者が立ち、丁寧な話しによって、美の起源を示した。
 この者は言った、「私は、愛が美の起源であることを聞いた。しかし承諾も賛同もしない。
 人間のだれが、愛とは何か知っているのか? だれが何らかの思考の観念でそれを熟考したのか? だれが目でそれを見たのか? 言ってみよ、どこにあるか。
 しかし、私は、知恵が美の起源であることを断言する。女の中で、知恵は内部で隠れ、秘められている。男の中で、知恵は開かれて、明らかに見られる。
 知恵からでないなら、どこから人間は人間であるのか? ここからでないなら、人間は彫像または絵画になったであろう。
 娘は、若者のもとにどのような知恵があるか〔そのこと〕以外に何に留意するのか? また若者は、娘のもとの自分の知恵の情愛がどんなものであるかでないなら、何に留意するのか?
 知恵によって、私は理解しているものは本物の徳性である、これが生活の知恵であるからである。
 ここから、隠れている知恵が開かれている知恵に近づき、抱擁されるとき、それは両方の霊の内部で生じ、互いにキスし、結合し、それが愛と呼ばれる。その時、両方の者が自分自身に美しい者として見られる。
 一言でいえば、知恵は火の光または輝きのようであり、それが目を打ち、打つかぎり美を形作る」。