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結婚愛 385

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(十六)幼児への愛と結婚愛の結合について

385 結婚愛と親心(ストルゲー)と呼ばれる幼児への愛が結合されていることを明らかにするしるしがあります。そしてまた、結合されていないという信念をひき起こすことができるしるしがあります。というのは、心から互いに愛する夫婦のもとに、また心で不和である夫婦のもとに存在するからです。そしてまた、分離している者のもとに幼児への愛が存在し、時々、後者のもとで、前者よりもさらに優しいものや強いものとなっているからです。
しかし、それでも幼児への愛は結婚愛と永続的に結合されていることは、それが流入する起源から明らかにすることができます。たとえその起源は受け入れる者たちのもので変えられても、それでもそれらの愛は、最初の目的が結果である最後の目的の中にあるように、ばらばらにされないで完全に残っています。
結婚愛の最初の目的は子孫を産むことです。結果である最後の目的は生まれた子孫です。
最初の目的は結果の中へ移動し、そしてそこにその始めのものの中にあるかのように存在し、それから引き下がらないことは、目的と原因の進行について、理性的な熟考から結果へ向かうその順序の中で見られることができます――しかし、非常に多くの(誤まった)推論は、結果から始まり、それらから何らかの帰結へ進み、原因からではなく、またこれらから分析的に結果などへは進まないので、それゆえ、光の理性的なものは雲の不明瞭なものを生じるしかなく、ここから外観と欺きから起こる真理からの逸脱があります。
けれども、結婚愛と幼児への愛がたとえ外的に分離されていても、内的に結合されていることが見られるために、この順序で示します。
(1) 全世界を創造された状態に保つために、主から二つの普遍的なスフェアが発出している。それらの一つは産むスフェアであり、そしてもう一つは産んだものを守るスフェアである。
(2) それらの二つの普遍的なスフェアは、結婚愛のスフェアと、幼児への愛のスフェアと一のものとなっている。
(3) それらの二つのスフェアは、全般的にまた特定的に、最初のものから最後のものまで、天界のすべてのものの中へまた世のすべてのものの中へ流入している。
(4) 幼児への愛のスフェアは、自分自身を守り、支えることができない者を守り、支えるスフェアである。
(5) このスフェアは、悪い者にも善い者にも働きかけ、そしてそれぞれの者を、自己の愛から自分の子を愛し、守り、支えるために制御している。
(6) このスフェアは、特に女性に、そのように母に働きかけ、彼女たちから男性または父に働きかけている。
(7) このスフェアは主からの無垢と平和のスフェアでもある。
(8) 無垢のスフェアは、幼児の中へ、また彼を通して両親の中へ流入し、働きかけている。
(9) 両親の霊魂の中へも流入し、それ自体を幼児のもとの同じスフェアに結合させ、特に触覚によって徐々にしみ込んでいる。
(10) 幼児のもとの無垢が去る段階の中で、それだけますます、情愛と結合も、徐々に分離へまでも弱められる。
(11) 幼児に対する両親のもとの無垢と平和の理性的な状態は、〔幼児が〕自分自身からでは何も知らず、できない、しかし、他の者から、特に父と母から知り、できることである。その状態もまた、他の者からでなく自分自身から知り、できるようになるに応じて徐々に去る。
(12) そのスフェアは、順に目的から原因を通して結果へ前進し、そして周期をつくる。それによって創造は先見されたものと備えられたものの状態に保たれる。
(13) 幼児への愛は下降し、上昇しない。
(14) 妊娠前とその後の出産までとで、妻にとって愛の状態は異なっている。
(15) 霊的な原因とここから自然的な原因によって、結婚愛は両親のもとで幼児への愛と結合されている。
(16) 幼児への愛や子どもへの愛は、霊的な夫婦と自然的な夫婦のもとで別ものである。
(17) 霊的な者のもとで、その愛は内的なまたは前のものからある、けれども、自然的な者のもとで、外的なものまたは後ろのものからある。
(18) その愛が相互に愛する夫婦のもとにも、互いにまったく愛さない夫婦のもとにもあるのはここからである。
(19) 幼児への愛は、死後、特に女のもとに残る。
(20) 幼児は主の導きのもとで彼女たちによって教育され、そして世でのように背丈と知性が増大する。
(21) そこでは、彼らのもとで幼児の無垢が知恵の無垢になるように、そしてそのように幼児は天使となるために、主により備えられている。

今からこれらの説明を続けます。