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結婚愛 392

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392 (5) このスフェアは、悪い者にも善い者にも働きかけ、そしてそれぞれの者を、自己の愛から自分の子を愛し、守り、支えるために制御している
 幼児への愛または親心(ストルゲー)が悪い者のもとにも善い者のもとにも、同様に、おとなしい獣と獰猛な獣のもとに等しくあること、それどころか、獰猛な獣のもとのように悪い人間のもとで、時々、さらに強く、またさらに激しくあることは、経験が証言しています――その原因は、主から発出し、そして流入するすべての愛は、主体の中でそのいのちの愛へ変えられるからです。というのは、生命のあるそれぞれの主体は、自分自身から愛するとしか感じないから、というのは、流入を知覚しないからです。さらにまた、実際に自分自身を愛する時、幼児への愛を自分の自己〔プロプリウム〕の愛にします、なぜなら、いわば彼らの中に自分自身を、自分自身の中に彼らを、また自分自身を彼らとそのように結合されたものとして見るからです。
[2]さらにまたここから、獰猛な獣のもとのその愛は、馬・鹿・ヤギ・ヒツジのもとよりも、ライオンと雌ライオン・熊と雌熊・ヒョウと雌ヒョウ・オオカミと雌オオカミ、また同様の他のもののもとのように、さらに残虐です。その理由は、それらの獰猛な獣には、おとなしい獣を支配し、ここから支配力を有する自己の愛があり、またこの愛は自分自身をその子孫の中で愛するからです。それゆえ、言われたように、流れ入る愛は自己(プロプリウム)の愛へ変えられます。
 プロプリウムへ流れ入るこのような愛の反転は、またここから悪い親たちからの子や子孫の保護と維持は、主の神的摂理からです、なぜなら、そうでなければ、人類からわずかな者でないなら、また、凶暴なそれでも役に立つ獣から何らかのものが残らないからです。
 これらから、それぞれの者が、自己(プロプリウム)の愛から自分の子(子孫)を愛し、守り、支えるために制御されることが明らかです。