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結婚愛 439

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439 (14) 両方のスフェアはそれ自体に快感をもたらす
 すなわち、地獄から上る淫行愛のスフェアも、天界から降る結婚愛のスフェアも、受ける人間を快感で働きかけます。その理由は、最終の面は同じであり、その中で両方の愛の快感が終わり、そこにそれ自体を満たし、完成させ、それらをその感覚の中で示すからです――ここから、淫行の愛の行為は、また結婚の愛の行為は、たとえ内なるものの中でまったく異なっていても、最外部で似たものが感じられます――ここから外なるものの中でも異なっていることは、相違がないという感覚から判断されません。なぜなら、外なるものの中の相違から似ていないことは、真の結婚愛にいる者にしか感じられないからです。というのは、悪は善から知られます、けれども、鼻に忌まわしいにおいがこびりついているとき、心地よいにおいが認められないように、善は悪から知られないからです。
 私は、天使から聞きました、「私たちは好色なものを好色でないものから見分けます。糞の火をまたは焼かれた角の火を悪臭から、香料の火をまたは焼かれたシナモンの木質の火を芳香から、だれかが見分けるようにです。これは内なる快感の相違からであり、それは外なるものに入り、それを作り上げます」。