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神の愛と知恵 254

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254 (4) 霊的な段階が完全に閉ざされている自然的な人間はどんなものであるか
 生活に関して悪の中にいる者は彼のもとで霊的な段階が閉ざされており、悪からの虚偽の中にいる者のもとではさらに閉ざされています。
 このことは、何らかの異質なものがほんの少しでも触れると縮む神経の小繊維と似ています。筋肉のすべての運動繊維も、それどころか筋肉そのものも、そのようにまた全身も同様に、固いものまたは冷たいものに触れると縮みます。このように人間のもとの霊的な段階の実体または形もまた、悪とそこからの虚偽により縮みます、これらが異質であるからです。
 というのは、霊的な段階は、天界の形の中にあるので、それと同質である善と善からのものである真理でないなら入ることを許しません、しかし、悪と悪のものである虚偽はそれと異質であるからです。
 この段階は、特に、世で自己愛からの支配する愛の中にいる者のもとで縮み、また収縮によって閉ざされます。その愛が主への愛に対立するからです。さらにまた、世俗愛から他の者の財産を所有しようとする狂った欲望の中にいる者もとで閉ざされていますが、前の者ほどではありません。これらの愛は霊的な段階を閉ざす理由は、悪の起源であるからです。
 この段階の収縮または閉鎖は渦巻を反対へ曲げ返すことのようです——これが、その段階が閉ざされた後、天界の光を反射することの理由です。ここから、天界の光の代わりに、そこに暗黒があります。それゆえ、天界の光の中にある真理は、吐き気を催させます。この者のもとでは、その段階そのものだけでなく、理性的と呼ばれる自然的な段階の高い領域もまた閉ざされます。感覚的と呼ばれる自然的な段階の最低の領域だけが開かれています。というのは、これは世と身体の外なる感覚に最も近いからであり、それらからその人間はその後、考え、話し、推論します。
 悪とそこからの虚偽によって感覚的となっている自然的な人間は、天界の光の中の霊界で人間のように見えず、怪物のように、さらにまた鼻を引っ込めて見えます——鼻を引っ込めているのは、鼻は真理の知覚に対応するからです。
 彼らはまた天界の光の光線にも耐えられません。自分たちの洞窟の中で、燃えさしまたは炭火からの光のようなもの以外に彼らに光はありません。
 これらから、霊的な段階が閉ざされている者がだれであり、どんなものか、明らかです。